ブサイクバカンス読書部

読んだ本の感想を書くブログです。

【感想】古賀亮一『宇宙警察☆ミーティアわんわん1~3』

 銀河の平和は我らが守る!

 

そんなフレーズが脳の中で響き続けていてお困りのかた、いらっしゃいますでしょうか。

 

もしくは、アルミホイルを毎日食べることで電波の受信率をアップさせたら冒頭の一文を脳が受信して受信してどうしようもない、というかたもいらっしゃいますでしょうか。

 

あ、そうですか。緊急入院をしたことでだいぶ症状は緩和されましたか。僕も先日、彫刻刀で脳の一部を削ったら症状はおさまりましたよ。

 

そんなこんなで「銀河(宇宙)」とか「平和」とか「守る」とか「あだち充」といった類への拒否反応がすっかりなくなった僕は、偶然本屋で見かけた本書『宇宙警察☆ミーティアわんわん』を右手の小指と左の耳たぶでつまんで、そのまま器用にレジへと運んだのでした。

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愛・忘れてました【作者紹介】

本作の作者は古賀亮一先生。可愛い絵でギャグ漫画を描き続けている方です。

 

Wikipediaを見てもデビュー年はよくわかりませんが、初の単行本である『ゲノム』1巻から推測するにおそらく97年頃。

 

世間的には2004年にテレビアニメ化した『ニニンがシノブ伝』がもっとも有名でしょう。

 

Wikipediaを見てまとめると(コピペすると)、以下のようなおもしろ作品群をリリースしております。

  • ゲノム
  • 忠犬ディディー
  • ニニンがシノブ伝
  • 電撃テンジカーズ
  • そんなネコな!
  • チョコんとチロルちゃん
  • ユレバケ
  • たまプラ
  • メイドのフミエさん

出会いはおそらく、まだ牛丼太郎が健在だった2002年ごろ――。

 

ペットボトルロケットを沢山連結させたもので星間逃亡を繰り返す生活おくったりおくらなかったりしていた10代後半から20代前半。

 

当時の僕が「この作家の漫画ならひととおり読みたい。そしてあわよくば抱かれたい」と思っていた作家のひとりが、古賀亮一先生でした。

 

ぼくが当時運営していたテキストサイトの読者で、エレクトロニカやフランス現代思想への関心の入り口となった大学院生に『ゲノム』を教わったのがきっかけ。

 

で、秋葉原のオタクショップで購入。

 

週刊少年ジャンプやヤングキングアワーズといった大メジャー誌に載っている作品ではないので、キモオタの聖地へ赴くのが確実だろうとの判断でした。

 

そして、帰宅してすぐに読んだところ、なんと即ハマり!

 

3巻くらいまでは既に出ていたので、ただちにお母さんの財布からお金を抜き、書店に走りました。

 

そしてゲノムのみでは飽き足らず、べつ作品にもばんばん手を出していったのでした……現実の女性にはいっさい手を出すことなく。

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そんなコガリアン(ハリー・ポッターのファンを「ポッタリアン」、シャーロック・ホームズのファンを「シャーロキアン」、勝間和代さんのファンを「カツマー」と称するのとおなじアレ)だったぼくですが、いつのころからか、おもしろいとわかっていながらも、古賀亮一先生の新刊が出ても買わなくなりました。

 

ムショ暮らしで世間と隔絶されていたわけでもないのにもかかわらず、なぜ買わなくなったかというと……。

 

とくにこれといって理由もなく。

「あ、ゲノムの新刊でてるけど、他に買い物しすぎてるし、後日買うか」

なんて思っているうちに、時は過ぎ、すっかり忘れてしまっていったのでした。~買・わすれていました~(通称:買わす)。

 

まぁ、このころ(20代後半くらい)には、朝食を食べたことすら忘れるようになり、三世帯で暮らしている息子夫婦に朝食を要求してはたしなめられていたので、仕方ないといえば仕方のないことでしょう。

 

『宇宙警察☆ミーティアわんわん』ってどんな漫画?【概略】

『宇宙警察☆ミーティアわんわん』は、2013年創刊の漫画雑誌「コミック電撃だいおうじ」で、創刊より連載しているギャグ漫画です。

daiohg.dengeki.com

10ページくらいの1話完結ものです。うわぁい、読みやすい!

 

世界観
いろんな宇宙人がいっぱい地球にやってきて馴染んだ時代。
しかし、やってくるのは良い宇宙人ばかりではない。新たな活動拠点として地球に目をつける、宇宙凶悪犯罪者もいる。
つまり変な宇宙人がいっぱい出てくるおもしろ世界観です。いぇーい!

 

おおまかな物語
宇宙凶悪指名手配犯の108号が地球に逃げ込んだという情報を元に、銀河系惑星連邦宇宙警察のミーティアとプロキオンが地球にやってきます。

やってきたはいいんですが、あんまり108号の情報もないまま、強化人員としてかぐやが配属され、毎日を楽しく過ごしつつ、そこそこ宇宙警察っぽいこともしている日々。いいのか、それで!?


主要なキャラ紹介
ゲスト的な宇宙人が多数登場する漫画ですが、そういうモブ以上恋人未満みたいなキャラはおいておいて、メインキャラと準レギュラーを紹介します。

 

1巻の作者あとがきによれば、初期の想定ではツッコミ役だったはずもボケがしっくりくるようになってしまったとのこと。

 

なので、調査会社に、キャラのツッコミ:ボケ比率の詳しい調査を依頼しました。

 

以下はごく簡単なまとめと、慶長十八年創業の《総合調査と甘味処のたなかリサーチ》によるツッボケ比の調査報告です。

 

ミーティア
宇宙警察地球部署の勤務をじゃんけんで勝ち取った巡査。
犬星人でちびっこ。
天才バカボンの本官さんのごとく鉄砲をバンバン撃つ。

 

ボケ:五藤久美子の5 ツッコミ:五ン中山の5

 

かぐや
人員強化のために派遣された巡査。
ミーティアとおなじくらい子供。
表情がほぼ変わらず、独特の雰囲気をまとっている。

 

ボケ:ペ・四ジュンの4 ツッコミ:六角精児の6

 

プロキオン
ミーティアといっしょに地球にやってきた警察犬。
一見すると可愛い犬だが、さまざまなパワードスーツを着込んで大暴れする。

 

ボケ:5ダイゴの5 ツッコミ:ゴダイ5の5

 

おまわりさん
地球の警察のおまわりさん。
同じ顔がいっぱいいるけど、いちおう別人。名前も途中で判明する。

 

ボケ:3プラザ中野の3 ツッコミ:七人の七の7

 

ステラ
猫星系の女怪盗。かなりポンコツ。
この漫画のレギュラー・準レギュラーの中ではおっぱいが大きめ。

 

ボケ:二代目林家三平の3 ツッコミ:水樹七の7

 

タコ星人
1話から登場する宇宙人の準レギュラー。スーパーマーケットで働いている。
翔太郎という名前あり。生意気にも彼女持ち。
ミーティアたち宇宙警察の被害を一番被ってるキャラ。

 

ボケ:ク零ジーケンバンドの0 ツッコミ:十実野菜の10

 

店長
スーパーマーケットノヴァの店長。七三分け。
スーパーマーケット拳法の使い手。

 

ボケ:根津甚八の8 ツッコミ:2ニンがシノブ伝の2

 

レオーネ
黄色戦隊イエロージャーに出演する女優。
おっぱいが大きい。

 

ボケ:壱原悦子の1 ツッコミ:九急戦隊ゴーゴーファイブの9

 

黄色戦隊イエロージャー
いわゆるスーパー戦隊だが、全員黄色系。
特撮番組とヒーローショーをやっている。
ミーティアやかぐやは彼らのファン。

 

ボケ:伊十院光の10 ツッコミ:零ディアントシルバーガンの0

 

宇宙凶悪指名手配犯108号
名前と設定だけ出てくる謎の犯罪者。3巻時点ではいろいろと不明。

 

ボケ:ご注文はうさぎですか?の? ツッコミ:うちのタマ知りませんか?の?


また、調査を担当した調査員兼販売員兼代表取締役、13代目田中・ロバート・大福左衛門氏による季節のオススメ和菓子は桜葉の香りが広がる上品な「道明寺」。


なめらかで口どけの良いこし餡とつぶつぶの食感が絶妙の一品だとのことでした。

 

最初の数話と更新分の最新話は、ニコニコ静画やComic Wakerにも公開されています。レッツクリック!

seiga.nicovideo.jp

comic-walker.com

愛・おぼえてなかったけどおもいだしました【感想】

そもそもギャグ漫画に感想もクソも、って気もしますが……。

 

読んでいるうちに、10年近い古賀亮一ブランクを取り戻し、僕ことブリタイ司令は古賀亮一を取り戻し、マクロスを援護しましたよ。

 

基本的なギャグの傾向は昔から変わらず。ギャグの中心にいるボケ役の男性(非人間)と下ネタとときどき登場する猿。女の子のボケはもうちょい可愛い感じ。そのすべてがセンス溢れるセリフ回しで構築されてるという。

 

そういうことでいうと、一作気に入ってしまうと、作家買いしてどれも楽しめるんですよね、古賀作品は。

 

どれも楽しめたうえで、キャラや設定などの好みで序列が生じる感じです。

 

そういう序列でいえば、僕的には過去の古賀亮一作品をふくめて、かなり上位、最上位ランクに気に入ってしまいました。

 

絵についていうと、もちろん鳥山明や大友克洋レベルのとんでもなく上手い絵ではないです。
が、すっかり作品に必要な画風で完成されていて、洗練されてます。

 

ためしに『ゲノム』初期や『ユレバケ』を少し読み返してみると、ほんっと画力向上が著しい。

 

異世界から転生したてホヤホヤ、または地元にテレビが放送の電波やってきて1年未満なのでアニメのニニンがシノブ伝すら見たことない方のためにいうと、過去作品はおおよそ、胸がおおきくってぷにぽよっとしたヒロインが出てきます。そういう柔らかそうな絵柄です。

 

今作では、古賀亮一としては珍しいほうだと思いますが、メインのヒロインが二人とも細身で小柄。なんせ子供、ちびっこ婦警さんですので。

 

小柄ですが、従来どおりほっぺたとかはぷにっとしたキャラデザで、ちょっと指先でつんっと押してみたくなります。

 

もしくはお触り厳禁なら、マシュマロやちぎったパンケーキ等の、あたっても女の子が傷つかないものポーンって投げあてて、跳ね返る瞬間を映像に収めたくなります。

 

にしてもです。

 

絵の完成度のおかげで、キャラがちゃんと動くこと動くこと。

 

子供婦警さんで小柄細身なせいか、けっこう珍ポーズをしてくれて、可愛いし楽しいです。


2巻収録の「捜査20」(20話のこと)なんか、その最たる回なんで、ぜひ読んでいただきたく。

 

今作についてあとぜひお伝えしたいこと。

 

それは「古賀亮一入門にもいいぞ!」ということです。

 

代表作で長く連載している『ゲノム』も良いのですが、けっこうな巻数を数えており、いきなり手を出すにはハードルが高い。

 

完結済みで全4巻の『ニニンがシノブ伝』ももちろん素晴らしいのですが……。

 

人によっては「ご先祖さまが忍の者に秘密情報を盗み出されなければ戦国時代の勢力図は違っていたはずなのに……!」という方もいるでしょうし。

 

あるいは幼い頃、夜中に偶然目撃してしまった、お母さんがお父さんのくの一しているところがトラウマになっている方も、そこそこいらっしゃるでしょうし。

 

なにより、完結作を読みきっちゃうと、そこで関係が切れちゃいそうですし。

 

わくわくどきどき胸躍らせつつ、にゃむにゃむざぽざぽ特殊な器官を動かしつつ次の巻の発売を待ち。

 

そして次の巻を待ちきれず、既発表作品を読んでいくコースがいいと思うんですよね。

 

2作目のアニメ化をするなら絶対にこれ。間違いなくこれ。
最近よくある10~15分アニメなんかでもいいかもしれない。

 

というわけで、ぜひともゲルゲット(ショッキングセンター(井出功二))からのアニメ化待ちですよ、みなさん!

 

宇宙警察☆ミーティアわんわん(1) (電撃コミックスEX)

宇宙警察☆ミーティアわんわん(1) (電撃コミックスEX)

 
宇宙警察☆ミーティアわんわん(2) (電撃コミックスEX)

宇宙警察☆ミーティアわんわん(2) (電撃コミックスEX)

 
宇宙警察☆ミーティアわんわん(3) (電撃コミックスEX)

宇宙警察☆ミーティアわんわん(3) (電撃コミックスEX)