ブサイクバカンス読書部

読んだ本の感想を書くブログです。

【感想】猫又ぬこ『絵師殺しの戌亥さんとエロい絵に定評のある俺1~2』

断頭台の上におちんちんを載せ、面白半分に刃を落とすべきか、それともおちんちんを大切にするべきか迷うこと1時間余……。

 

断頭台の設置場所を東京駅銀の鈴広場にしたため、駅員たちの間で「ギロちんちんの人邪魔だから撤去しよう」と議決され、断頭台とともにぼくは運び出されることとなったのでした。

 

どこからともなく用意された大き目の台車。

 

おちんちんを載せた断頭台ごと運ばれるぼく。

 

その台車の行き着いた先は、丸善丸の内店のラノベコーナー。

 

そして、運搬を手がけた駅員さんがラノベ新刊の棚を指差し、

 

「ねぇ、これでも読んでから、おちんちんを去勢するかどうか決めたら?」

 

なんて提案してくれたのが、タイトルと表紙イラストからして「これぜったいえっちで可愛いヤツじゃん」と確信できた本書――猫又ぬこ『絵師殺しの戌亥さんとエロい絵に定評のある俺』なのでした。

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ファンレターのかわりにマタタビを送っちゃだめなのかえ?【作者紹介】

作者の猫又ぬこ先生。

 

掛け算九九が四の段の途中までしかできないくらい不勉強なぼくは、本作で初めて、その存在を知りました。

 

表紙に書かれた「猫又ぬこ」の文字列を見て最初に思ったこと。

 

それは、英語にすると、Cat onece more Cat.だなぁ、ということ。

 

フルで英語にせず、水野良先生をWater野Good先生に変換するのと同じく、間の漢字残すなら、Cat又Cat先生です。

 

きっと、その場合は省略をされて「キャト又(きゃとまた)先生」と呼ばれるようになるでしょう。

 

キャト又キャト又……と発音を繰り返すうちにある段階で「かつまた先生」と呼ばれかねないでしょう。アッコにおまかせ出演もありうるかもしれません。

 

さて、この猫又ぬこ先生ですが、第7回HJ文庫大賞の拾い上げで作家デビューをなさった方だそうです。

 

このブログの主要な読者層である戦中派~焼け跡世代の方々は、

 

「拾い上げってなんだ?」

 

とお思いでしょう。

 

新人賞っていうのは、受賞作、もしくは受賞作家だけが世に出るわけではないのです。

 

編集者の方が「この人、受賞には至らなかったけど、おもしろい気もするし、小部数だけど世に放ってみようかな。ものになるかもしれないし」と思った場合なんかにも世に出るチャンスがもらえるのです。

 

それが「拾い上げ」というやつです。

 

他にも「この人、体から大量のエチレンガスを放ってるし、青いトマトや硬いキウイのそばに置いておくと、すぐに野菜や果物が食べごろになるぞ」という場合にも、打ち合わせで来社させると便利そうだからとの理由で拾い上げてもらえることがあるとかないとか。


それにしても、ペンネーム、良いですね。

 

猫派であり、

 

なおかつビアンカ派でもあり、

 

であると同時に、シンシアのはねぼうしは売らずに最後までもっておく派であり、

 

どちらかといえば目玉焼きにはソース派であり、

 

ついでに言うならきのこ派の女とたけのこ派の女を同時にベッドで相手する派であり、

 

シーア派兼スンニ派兼アララギ派であり、

 

それでいて犬派である、

 

そんな僕としては「猫又ぬこ」っていうペンネームだけで、なんだか好きになってしまいますワン!

 

猫まっしぐらな作品一覧はこちら。

 

HJ文庫

  • チート剣士の海中ダンジョン攻略記水着娘とハーレム巨船
  • アイテムチートな奴隷ハーレム建国記
  • 魔王さまと行く! ワンランク上の異世界ツアー! !
  • 嫌われ魔王が没落令嬢と恋に落ちて何が悪い!

講談社ラノベ文庫

  • こいつらの正体が女だと俺だけが知っている
  • 絵師殺しの戌亥さんとエロい絵に定評のある俺
  • 幼なじみは負けフラグって本当ですか?
  • SSSランク賞金首のバカップル、ドラゴン娘を拾う
  • 勇者と勇者と勇者に愛されすぎて修羅場

 

まだ本作しか読んだことないので、どれも気になってます!

『絵師殺しの戌亥さんとエロい絵に定評のある俺』ってどんな作品?【概略】

主人公である近衛虎鉄は、話作りには問題があるものの、とんでもなくエロい絵を描いてしまう新人漫画家。


ある日、連載をつかみとるべく担当編集のもとに漫画を持っていくと、ボツをくらったものの、同社の売れっ子ラノベ作家鬼瓦勘兵衛の新作で、イラストレーターとしての仕事を頼まれます。


報酬と、売れっ子作家といっしょに仕事をすることで話作りを学べるという提案にひかれた主人公は、そのままイラストレーターを引き受けることを決断。


打ち合わせのために鬼瓦先生の仕事場をたずねると、出迎えたのはあどけなさの残る美少女。


その美少女こそが、なんと鬼瓦勘兵衛こと戌亥詩織でした。


さっそくちょっとエッチなめにあいうれしいと思ったのも束の間、主人公は仕事場にある鉄格子の中に入れられ、監禁され、そのまま同棲することになってしまいます。


鬼瓦先生がどんな作家なのか疑問に思った主人公がスマホで検索。


すると出てくる半端ない伝説。


鬼瓦先生は超速筆で次々と新作を書き上げるため、次々と新刊イラストの仕事がイラストレーターを襲い、ついには病院送りにしてしまう、「絵師殺し」の異名をとる人物だったのでした。


そんなこんなでイラストの仕事を始めたところ、主人公の絵に惚れたさらなる美少女ラノベ作家たちが登場し、主人公と仕事をしたがる。


そしてエッチなことも。

 

といった感じの内容です。

 

つまり。

ここ何年か、異世界転生モノ同様に流行っているクリエイターものラブコメ。

それのエッチなこと多目が本作です。

 

あー、俺もエロい絵師になっておけばよかった【ネタバレしない程度に感想】

なんで俺は絵描きじゃないんだ?

副総理なんかやってるんだ?

 

ともかく主人公は絵のエロさ一点でヒロインたちに仕事のパートナーとなって欲しがられるし、そのためにヒロイン側からエッチなことをがんがん仕掛けてきてくれるんですよね。

 

この羨ましさたるや。

 

読んでいて、主人公に対する嫉妬で歯軋りし、奥歯を奥歯で噛み砕くレベルでした。

 

ぼくもかつて『萌えキャラクターの描き方 顔・からだ編』なる本を購入し、美少女を描く練習をしたことが一瞬だけありました。

 

しかし、いわゆる三日坊主的に、短期間で投げ出してしまったのです。

 

そのときの自分を恨めしく思う程度には、本作の主人公の置かれてる境遇は羨ましい限りでした。

 

ラブコメの基本のひとつに「現実にはありえないような羨ましい状況に主人公が置かれる」があるとしたら(あると思いますが)、その需要は満たしてると思いました。


キャラがたってるー!

クララが立った! カタストロフ前日に立った!

 

とまぁ、オールドスクールなジャパニーズアニメーションでも言われてるように、キャラが立つことは大事です。

 

また、キャラが立つことで読者を勃たせることもほんとうに大事です。

 

いちばんのヒロインはタイトルに名前があり、1巻の表紙でもある戌亥詩織ですが、個人的に惹かれたのは肉棒ぬめぬめ先生こと二宮狐々亜でした。

 

かなり残念な変態で、しかもストーリーの進行とともに新たな性癖に目覚めていく。

 

それがエロいというよりも、ギャグになっていて楽しいんですよね。エロいんですけどね!

 

どちらかというと正統派ヒロインの皮をかぶっているのに残念なところがすごく可愛かったです。

 

あとは、主人公のクラスメイト男子の山田。

 

いまのところ、ストーリーの本線にとってさほど大事なキャラではありませんし、今後の活躍もなかなかあやしいやつではあります。


けれど、要所要所に登場し、良いやつでありながらモテない男子の悲哀を見せてくれる、男としては愛すべきやつです。登場すると妙にうれしくなります。

 

なんだか残念キャラにばかり注視してますが、それが作品の魅力の一部であり、惹かれたところでした。

 

エロいようでいて、意外とアツいラブコメになっていく予感!

基本的にはエロとギャグ満載のラブコメなんですけど、登場人物がラノベ作家と漫画家(イラストレーター)、そして担当編集ということで、そちらの方面もちゃんと描かれています。

 

そしてこれがけっこうまっとうなクリエイターの情熱が描かれているんですよね。

 

今後も巻数が進んで彼らの仕事も進んでいくとき、そのときに何かの壁とぶつかったり、乗り越えたりするのかなーっと。

 

それがラブコメ展開と、たんに並行するだけでなく相互にうまく絡みあうと、小説や漫画、なんなら二次創作ややる夫スレ作者たちの共感を呼ぶアツい作品になっていくのではないかなと思い、期待しています。

 

イラストにもちょっと触れると・・・

ぱん氏によるイラスト。

 

どれも可愛いんですけど、1巻の表紙と中表紙の鬼瓦先生のイラスト。

 

これ、左右のおっぱいの距離感が良いですよね! 貧乳感あるし、艶かしくって、ほんのりリアルさがあって!

 

おもわずイラストを指で触ってみてしまいました。

 

……うん、わかってはいたけれど、紙の感触しかしないですね。

 

しかたないのでイラスト見ながら妹に触らせてもらいました。

 

あと、妹に「今日の膣具合どんな感じ?」って聞いたら、俺の人差し指をキュッと握って「こんな感じだよっ」って返答されました。


以上!

 

3巻も楽しみにしています!!

 

 

絵師殺しの戌亥さんとエロい絵に定評のある俺 (講談社ラノベ文庫)

絵師殺しの戌亥さんとエロい絵に定評のある俺 (講談社ラノベ文庫)

 

 

絵師殺しの戌亥さんとエロい絵に定評のある俺2 (講談社ラノベ文庫)

絵師殺しの戌亥さんとエロい絵に定評のある俺2 (講談社ラノベ文庫)