【感想】玉之けだま『僕は小さな淫魔のしもべ』
夜、眠るじゃないですか。独身オタク男性だから独り寂しく。犬のぬいぐるみの抱き枕をぎゅっとしつつ。
そうしたら、すべてのものに等しく朝がやってくるじゃないですか。で、起きるじゃないですか。
起きたら労働に行くわけじゃないですか、すき家で4店舗掛け持ちワンオペ、ピラミッドの建築などの。
で、いい大人なので遅刻をするわけにはいかないにもかかわらず、急に
「いま、オナニーすべきだ!!」
と、脳が直接、神からの天啓を受信することってあるじゃないですか、だいたい3週間に1度くらいの頻度で。
そして、遅刻と射精を天秤にかけつつも手淫に突入。
己の怒張した男根に性的刺激を与え、なんとか遅刻せずに住む時間に射精完了……したはいいんですが……。
鼻セレブが女神のごとく優しく受け止めてくれた白濁液の量がおそろしく少ない。
そんなとき、
「寝てる間に搾り取られてる!?」
と、サキュバスの存在を疑うことありませんか?
で、搾精するサキュバスが映るかもしれないと思ってカメラを仕掛けて眠りにつくも、羽と尻尾の生えたエッチな美少女は一切映っておらず。
巨大な鎌を携えたローブ姿の骸骨は映っていたけれど、他には異常なし。
そんな日々を送っている僕が、発売を楽しみにし、お店に並ぶなり即オタクショップのエロ売り場に突入し購入したのが、本作。
玉之けだま先生の『僕は小さな淫魔のしもべ』でした。
おそらく毛玉ではなく人類だと思われる【作者紹介】
作者の玉之けだま先生。
毛玉牛乳という同人サークルで東方Projectやオリジナルのえっちな薄い本を出したり、ライトノベルやゲーム、グッズなどのイラストを手がけている絵描き様です。
お仕事の一覧は公式の「info」のページが詳らかですので、18歳以上~老衰死未満の方々はそちらをご覧くださいませ。
『僕は小さな淫魔のしもべ』ってどんな漫画?【概略】
本作はサークル毛玉牛乳からリリースしたフルカラー同人誌『僕はちいさなサキュバスのしもべ』と、同作のキャラを描いた茜新社のロリババア専門エロマンガ雑誌である「永遠娘(とわこ)」誌上での連載を収録したものとなっています。
内容はロリサキュバスもの。
つまりロリなサキュバスのえっちな本です。(一つ前の文と同内容ですが、大事なことであり、しかもタイピングしてるだけでえっちな気持ちになるので2回書きました)
といっても、現代の義務教育の教科書ではサキュバスに関する記述がないので、ご存知ない方々もごく少数とはいえいらっしゃるかもしれません。
なので、TEAS事務所著の『萌える!淫魔事典』から、「サキュバス」なる存在についての説明を簡単に引用をしてみましょう。
サキュバスとは、キリスト教徒に古くから信じられていた悪魔の一種です。外見は人間の女性に近く、おもに夜眠っている男性を襲ってセックスを行います。
サキュバスがセックスをする目的はあきらかではなく、人間を堕落させるためだとも、精液を採取するためだともいわれています。サキュバスとのセックスを長期間にわたって続けた者は、しだいに衰弱していき、最終的には命を落としたという記録もあります。
つまり、ドスケベ美少女悪魔さんということです。
キリスト教のおっさんたちにとっては「こら! 搾り取るな! あとみんなで食べる唐揚げに勝手にレモン汁搾るな!」という怒りの対象ですが、独身キモオターズにとっては、死ぬ可能性があるという点にさえ目をつぶれば夢のようなありがたい存在です。
あらすじは以下のとおり。
告白してフラれた主人公・将吾は、そのまま勢いでバイトも辞めて、なかば引きこもりに状態に。
そこにあらわれたサキュバスのティファニー。
フェラチオでの搾精から、セックスに突入。
全身の液体を精液として搾り取られ殺されそうになった将吾は、明日もその次の日も精液を提供し下僕になることと引き換えに、その場を生き延びる。
その日を境に、ティファニーと、さらには妹分であるクロエとの同居生活が始まる。
ぜひ続編をお願いします【感想】
さて、『僕は小さな淫魔のしもべ』の感想ですが。
その前に、まずは毛玉牛乳発行の薄い本『甘リリス』の話からさせてください。村はずれのお地蔵様へのお供えは欠かさないのでさせてください。
この薄い本の画像をけだま先生ご本人がツイートしたものが僕の二次元とサッカーとクラブミュージックとSF小説、ならびにじゃっかんの西洋哲学に満ちたタイムラインに姿をあらわしたのが、出会いでした。
絵柄、配色と塗り、サキュバスの貧乳を背後から揉むという素晴らしいシチュ、おっぱいアップのコマ割り、乳首部分だけつんっと持ち上がった服と、薄い布越しに乳首の色がほんのり透けているその拘りなどなどに心をつかまれ、それまで存じ上げなかったにもかかわらず、
「これ、ぜったい買うやつでしょ」
と即刻決意。
山手線車内で読み始めたい気持ちを必死でおさえ、自室で本を開いたところ。
癒されまくりました。
膝枕耳かきはしてくれるし、お風呂でお風呂ならではのことしてくれるし、料理はしてくれるし、マッサージで疲れを取ってくれようとするし、えっちなことをさせてくれるし、セリフまわしが優しげだし。
授乳手コキからの射精シーンで、ちょっと根元を掴んで射精をおさえこんでくるのですが、すぐさま「ゴメンね」と口で吸い出してくれる根っからの優しさ。
悪魔でありながら、天使以上に天使な性格。
まさに近藤真彦「ミッドナイト・シャッフル」で歌われている
「天使のような 悪魔の笑顔」
というやつです。
エロい本の主要な目的は、性的な興奮を促しシコらせることにあると思いますが、可愛いエロに癒されるリラックス効果もあるのだなと思いました。
「ストレス社会で闘うあなたに。チョコレートで ほっとしよう。」のメンタルバランスチョコレートGABAや、アロマオイルと同じフロアで、18禁リラックスアイテムとして販売するのもありかもしれません。
実際僕は、精神的な疲労感や、怒りで心がとげとげしてるときに眺めて癒されていました。
同人誌は専用の収納ボックスにしまっているのですが、この本はすぐに取り出せるように、パソコン傍の書類入れに、サッカーのFC東京の応援に行った際にもらったマッチデープログラムやなんかとともにしまってあります。
前々からサキュバスのことはファミチキ以上電気グルーヴ未満くらいには好きでしたが、『甘リリス』効果でより一層好きになり、
・牛乳はうまい
— 荒井祐太 (@yutaarai) May 7, 2019
・サキュバスとセックスしなければ生まれてきた意味がない
このふたつは積極的に主張していこうと思う。
なんてツイートもするようになりました。
そして――
期待に胸と股間と釣り上げたばかりの深海魚をふくらませながら発売を迎えた『僕は小さな淫魔のしもべ』。
『甘リリス』のサキュバスが「サキュママ」と称されるような母性キャラだとするなら、本書ではうって変わってS寄りなサキュバスさんたちが登場。たっぷりと別の性癖を満たしてくれました。
登場するサキュバスは3人。そのうち、メインで登場するのは2人でともにロリ。
ロリのエロで大好きな要素といえば、陰唇(ラテン語でいえば「ラビア」。僕のオリジナルのキモい言い方でいえば「シャドウ・リップ」)のプニプニ感って大事だと思うのですが、これが閉じた状態も、おちんちんが押し込まれた状態も、衣装が割れ目を隠してる状態も抜群のプニ感なんですよね。
しかも幼い子特有のおなかのぷっくりした感じを、膣でたっぷりと精液を飲み込んだ状態で描写していたり、ロリに搾り取っていただいた際の嬉しい要素をちゃんと乗っけてくれている。
この作品で気に入った点として、キャラは絵的な可愛さももちろんなのですが、日常描写や、キャラの背景となる過去のシーンを描いてくれている点があります。
ゲームをしたり、おかしのチーズを食べたり。
ちょっと辛い過去があったけれど、それ故に現在の関係性があったり。
基本はエロマンガなのでエッチをしまくってるわけですが、その合間合間にエッチ以外の要素があることで、キャラへの好感度が高まり、より一層可愛く思えてくるんですよね。
その可愛さの倍増ぶりときたら、可愛いという概念をもたないンジャンゾボナバフ族も、彼らの用いるグヌゾブヌバナ語で「可愛い」という概念を発明してしまうくらい可愛いです。
「てぃふぁにーモくろえモカワイイ!!!!! ……オレノヨメ、カワイイ、チガウ……」
と、ンジャンゾボナバフ族の男の興奮(とンジャンゾボナバフ族の女に対する嘆き)の声が聞こえてきそうなくらい、それくらい可愛さを高める効果を発揮していると思いました。
性癖は多種多様で、しかも本作は特定の性癖を狙い撃ちしてるタイプの作品。
なので万人受けするタイプではないかもしれません。
しかし、性癖ぴったりなら、ぜったいに高いレベルで満足感をあたえてるハイクオリティな作品なことは間違いないです。
なんなら、性癖外の方も、新しい趣向を開花させてくれるかもしれません。
ともあれ、少しでも気になった方は購入をしてみることをおすすめします!